岡本和久のFIWA/I-OWAメルマガ 20230515
岡本和久のFIWA/I-OWAメルマガ
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今月のひとこと
「貯蓄から投資へ」を考える
私が証券市場に入ったのは1971年4月1日です。入社式で、その時にトップがお話になったことを非常にはっきり覚えています。「君たちは良い会社に入った。これからはいよいよ、貯蓄から投資の時代が来るんだ」とおっしゃったことです。
これまで多くの大相場がありました。1958年年初から日経平均は1961年7月まで約3年半で3.9倍に上昇しました。みんな競って株式を買ったのです。70年台の初頭も大変な株式ブームでした。大阪万博、日本列島改造などがあり、いざなぎ景気の余韻で日経平均も1972年には1年で92%の値上りをしました。また、80年代のバブルの時は、まさに猫もシャクシもみんな株式、株式と言って、株式投資に熱中、1982年10月から89年末まで7年3ヶ月で日経平均は5.6倍になったのです。
要するに儲かりそうならみんな株式投資をするのです。リテラシーもほとんどない。要するに儲かるならやる。このころまでは、まだ人口も増加し、経済も成長し、老後もある程度年金などでカバーできた時代でした。だから株式投資は小遣い稼ぎ目的の、むしろ投機的な動きだったと思います。
今回も株式投資をする人が少しずつ増えています。ただ、今回は少し性格が違うように思います。やはり日本の人口減少、国の巨大債務の問題などもあり、自分の将来のために資産を形成していこうという動機が大きいように思います。また、制度的にも積み立てNISAが拡充されるなど、さまざまな政策が取られています。ようやく少しずつ52年前に聞いた「貯蓄から投資へ」という話が本来の姿で実現しつつあるように思います。
アメリカでは、「個人の金融資産の4割近くが株式に関連した金融商品になっている。日本はそれに対して10%程度しかない」ということで、このレベルの低さがよく言われます。非常に興味深いのは40年前、1982年にはアメリカでも個人の金融資産に占める株式の比率はほぼ10%ぐらいだったのです。80年代初めには「株式の死」が言われていた時代です。
実は70年代の後半に入るとアメリカでは新しい産業の動きが出始めていました。マイクロソフトが創業したのが1975年、アップルの創業は77年です。また1980年代に入りレーガノミクスが導入され、1988年にはアメリカでインターネットの商用利用が解禁になります。94年にはアマゾン(カダブラ)が創業し、95年にはWindows95が発表されます。98年にはGoogleが創業しています。そしてさらにITバブルを経て2004年にFacebookが創業をしています。バブル崩壊後の構造不況に悩む日本では1997年に山一証券が自主廃業に追い込まれたのと大きな対比です。
結局、アメリカ全体の中で新しい経済と産業の波が起こり始めていた時期だったのでしょう。日本でせっかく株式投資に意欲が少しずつ盛り上がりつつあるのに、海外に向かう資金が多く、日本株には積極的にならない傾向が強い、その大きな理由は、やはりそのような大きな産業のうねりが今の日本ではもう一つ感じられないところにあるのではないかと思います。
株式会社は毎年得た利益で配当金を株主に支払い、そして残りを内部留保とします。そして、その内部留保のかなりの部分が預金に向かっています。預金の金利はほとんどゼロ金利です。ということは、資産の中の預金の比率が高まれば高まるほど、企業全体としてのROE、株主資本利益率は低下をしていきます。
株式を保有するということは株主資本を保有するということです。その収益率が低下をし続けていくのですから、そこに魅力が感じられないのは当然のことです。大切なことは、毎年の内部留保をほぼゼロ金利の銀行預金ではなく、新たな分野への設備投資に向けていくということだと思います。日本にそのような投資機会がなければ世界に向かってそれを行えばいいのです。世界は地政学的にも経済的にも、情報革命でも、大きな変革期を迎えています。
そのような時こそ、自分たちが取れる最大限のリスクを取って資金を使っていくべきではないかと思うのです。より成長性の高い分野への投資が行われていけば日本の株式のROEも向上して、そしてその結果として成長率も高まり、個人投資家も日本株式投資が積極化するという展開になるだろうと思います。ですから、私が52年前に入社式で聞いた「貯蓄から投資へ」というのは今、個人だけの問題ではなく、まさに企業こそ「貯蓄から投資へ」という時代を迎えているのではないかと考えます。日本株の魅力が増せば個人は何も言わなくてもしっかり学び、投資に踏み切ってくるモノです。
(岡本 和久)
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FIWAマンスリー・セミナ講演より(講演1)
講演:作家、板谷 敏彦氏
レポーター:赤堀 薫里
高橋是清は日本銀行に入ってからは、金本位制を導入したりしましたが、日露戦争の資金調達が一番大きな業績になります。日露戦争後は、入行して20年で日銀総裁までのし上がる。その後、政治家になります。
ここから今日の話が始まります。58歳から81歳までの是清さんの時代です。第16代大蔵大臣になったのが山本権兵衛内閣です。この間の年率の株価パフォーマンは、マイナス3.6%です。株価は今までは、バラバラで連続されるものはありませんでしたが、昨年、8月に開発された兜日本株価指数では一気通貫して見ることができます。
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FIWAマンスリー・セミナー講演より(講演2)
ホーリスティックなライフプラン
講演 FIWA理事長 岡本 和久 CFA, FIWA
レポーター 赤堀 薫里
2007年に書いた本『100歳までの長期投資』の序文で、『合理的な運用をきちんとやっていかないといけません。それは単にお金だけの問題ではなくて、ライフプラン、人生計画と整合性のある、自分にとって心地よい人生を送れる一助となるようにお金の面をどう扱っていくのかが大事であり、それが100歳までの長期投資である。』ということを書きました。コア・サテライト戦略のイメージは、コアは、世界株インデックスを中心にして、サテライトとして周りにアクティブの投資信託、投資手法やテーマ型、個別銘柄の投資、サテライトの戦術的資産配分、戦術的アセットアロケーションなどを配置する。
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知って得する、ちょっと差がつく トリビア・コーナー
トリビア研究家 末崎 孝幸
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FIWA認定会員 投稿コーナー
寄稿:ファイナンシャルプランナー CFP(R) FIWA(R)協認定正会員
上山 光男氏
プロフェッショナルについて
1990年に米国ジョージア州アトランタ市に、銀行から派遣されて赴任した時の仕事は、それまでに銀行が貸し出した、不動産担保貸し付けの回収でした。バブル景気に沸いた1980年代後半の勢いに乗って、日本の銀行はこぞって米国の不動産担保融資にのめり込み、その後の、米国の景気後退と、日本のバブル崩壊のダブルパンチで、膨大な不良債権の山が、日本の内外に積みあがった時期だったのです。金融(お金)というものは、影だけがあって、実体が無い・・というのは、まさにこの時のことで、市場に溢れかえっていたお金が、気が付いたら一瞬のうちに消えてしまい、後に残ったのは、担保価値が急激に下落して、融資の返済目途が立たない不良債権だけでした。
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FIWA認定会員 投稿コーナー
寄稿:FIWA(R)認定准会員
岸野 浩二氏
最近の活動から
最近の具体的な活動の一例を紹介させていただきます。ライフプランでタイアップしているハウスメーカー様からの依頼で1月に「住宅購入後の確定申告・ライフプランセミナー」を、昨年住宅購入された方々に行いました。セミナーの内容は、住宅ローン控除の仕組みや確定申告の方法、住宅ローン金利上昇リスクへの備え、住宅ローン返済計画に向けてのライフプランの作成などでしたが、そのセミナーに参加された女性Tさん(40歳代:年収600万円台)から住宅ローン控除の確定申告のサポート依頼を受け、弊社の担当FPとご自宅にお伺いしました。
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FIWA動画紹介(FIWAみんなのお金チャンネル)
● DIY資産運用講座 第一回 なぜ資産運用が必要か
● 稲盛和夫氏の講演録より 人生とビジネスで成功するために必要なこと
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インベストライフ・アーカイブより
ロジャー・イボットソン氏に聞く 私の証券市場研究と実践から~日本へのアドバイス
ロジャー・イボットソン氏は世界の資産運用業界の誰もが認める知的リーダーです。特に氏のリスクプレミアム、アセットアロケーション、人的資産などに関する論文は高い評価を得ています。来日の際、お会いしてインベストライフ会員の皆さまへのメッセージをいただきました。
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基本ポートフォリオのパフォーマンス
出所:イボットソン・アソシエイツ・ジャパンがMorningstar Directにより作成。
4月のパフォーマンスは4資産成長型が2.57%、2資産成長型が3.28%のパフォーマンスでした。
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投信データ・ウォッチ
出所:MorningstarDirect のデータを用いてイボットソン・アソシエイツ・ジャパンが作成。
国内で購入可能な代表的ETF:2023年4月末の運用状況
国内で購入可能な代表的ETFの4月末の運用状況をリストアップしていただきました。上場インデックスファンドTOPIX(日興AM)、MAXISトピックス上場投信(三菱UFJ国際)、上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本(日興AM)、Vanguard・トータル・ワールド・ストックETF、iShares® グローバル100 ETFなどのデータを紹介していただきました。
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● 次回のFIWA(R)通信「インベストライフ」の配信は2023年6月15日です。
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FIWA(R)からのお知らせ・セミナー予定
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第213回FIWA(R)マンスリー・セミナー
開催形式: On Line 主催担当: 赤堀 薫里
開催日時: 6月18日(日) 12:30~15:30
講演・講師:
講演1:
岡本 和久「ビジョンとリーダーシップ」
講演2:
龍谷大学教授 竹中 正治氏「インフレ率アップが日本企業のROE、PBR、株価を押し上げる~日経平均3万円超え定着は2024年か」
備考: お申込みは開催日の三週間前より以下のサイトにて承ります
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第214回FIWA(R)マンスリー・セミナー
開催形式: On Line 主催担当: 赤堀薫里
開催日時: 7月16日(日) 12:30~15:30
講演・講師:
岡本 和久 「定年、リタイア・ライフをどう生きるか」
Consulting Office 桑瀬 登起子氏 (司法書士/終(つい)のデザインサポーター)「終(つい)のデザインを 4つのマトリクスで考える・相続登記に関する改正のポイント」
備考: お申込みは開催日の三週間前より以下のサイトにて承ります
参加費: 3300円
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第215回FIWA(R)マンスリー・セミナー
開催形式: On Line 主催担当:赤堀 薫里
開催日時: 8月20日(日) 12:30~15:30
講演・講師: 岡本 和久 「ウォール街のランダムウォーカー」を読み解く 第1回(全5回*)
セゾン投信株式会社代表取締役会長CEO 中野晴啓氏 「セゾン投信に掛ける夢」
(*:8月から12月まで投資家もアドバイザーも必読書である名著、バートン・マルキール著「ウォール街のランダム・ウォーカー」を読み解いていきます。ぜひ、ウォール街を一緒にランダム・ウォークしましょう。)
備考: お申込みは開催日の三週間前より以下のサイトにて承ります
参加費: 3300円
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FIWA presents 「マネーマネーマネーfor you」 始まる
金融商品の販売にかかわらない独立系アドバイザーが集まっていNPO法人みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)で、新しくポッドキャスト配信を始めました。ポッドキャストとは、後からいつでも聞くことができるラジオのようなものです。今後はFIWA会員のゲストトークも予定しています。
パーソナリティは小屋と、キャサリンとナンシーの3人が務めています。お金に関するさまざまな気になることを楽しく語っています。40代の子育て中の3人が幅広くFIWAのことを知ってもらうために、頑張りたいと思います。よろしくお願いいたします。
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