岡本和久のFIWA/I-OWAメルマガ 20220915
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□■ 岡本和久のFIWA/I-OWAメルマガ
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今月のひとこと
最近気が付くのは本当のプロのアドバイザーが必要だという声が増えてきているということです。正直、「遅すぎた」というのが私の実感です。退職後のための資産形成、そして退職後の資産活用がそれぞれの人々の人生を通じて極めて重要な課題になっている今日、知識、経験そして高い倫理観を持つ専業のプロのアドバイザー、金融商品の販売に一切関わらないアドバイザーというものが今ほど強く求められていることはないと思います。
もちろん金融商品を「販売する」のは非常に重要な仕事であり、それに従事する人々はその仕事にプライドを持ってお客様のために働いている方も多いと思います。しかし、そうでない方も多く、生活者の方からもそのような声をたくさん聞きます。
販売という業務とアドバイスという業務は違う仕事です。アドバイザーはアドバイザーとして誇りを持って仕事をする。販売員は販売員としてプライドを持って仕事をする。それが非常に重要だと思います。
なぜ本物のアドバイザーが今必要なのか、以下の三つのポイントを指摘したいと思います。
まず、第一のポイントです。
インベストメント・チェーンという言葉をご存じでしょうか。今日、日本の生活者のすべては投資家です。皆さんが気付いても、いなくても資産の一部は有価証券に投資をされているのです。年金資金も株式を保有しています。皆さんが加入している保険も株式を保有しています。実は皆さんは社会全体をおおうインベストメント・チェーンの一部を構成しているのです。そのインベストメント・チェーンというのは以下のようなサイクルです。
生活者(投資家)⇒金融機関(販売員・IFA)⇒アセット・オーナー(年金基金など)⇒資産運用会社⇒売買執行者(証券会社など)⇒投資先企業⇒生活者(投資家)
このチェーンが意味することは、生活者である皆さんが金融商品を買うため金融機関に支払ったお金が投資信託や年金基金などにプールされ、それを資産運用会社が運用する。運用会社の指示に基づいて証券会社などで売買が施行される。投資先企業が社会に付加価値を生み、それがその企業の価値の増加につながる。そしてそれが株価の上昇及び配当金などで生活者である皆さんの元に戻ってくる。これがインベストメント・チェーンです。
問題は、この出だしのところにあります。生活者(投資家)と金融機関(販売員・IFA)の関係という問題です。生活者一人一人は、このチェーンでそれほど大きな影響力を持つわけではありません。むしろ金融知識も一般的にはそれほど高くなく、販売員をアドバイザーであると信じてその言うことを無条件に聞いてしまうことが多い。
一方で、金融機関は膨大な人、物、金で影響力を持っています。あらゆるメディアで宣伝広告を行い、立派な会場で講演会を行い、膨大な数の販売員を抱え営業活動を行っています。
問題は生活者である投資家と販売サイドである金融機関の間には本質的な利益相反関係があるということです。つまり、両者の間では利害が相反するのです。しかし両者の間の力の差は歴然としています。その結果として、弱者である生活者=投資家が、弱い立場に立たされているというのは事実です。
ここになぜアドバイザーが必要かという理由があるのです。つまり「アドバイザーは生活者に寄り添う形で金融機関との間のパワーバランスを調整する」。このバランスを調整することこそ生活者の金融知識の向上にも繋がり、また金融機関の本当に顧客本位の営業姿勢が進められることになるのだと思います。
さて第2番目の問題点に移ります。生活者にとって人生で最も重要なことはその生活者本人の幸福感が最大化されるということです。幸福感にはいろいろな要素があると思いますがお金はその一つにしか過ぎません。つまり長い人生の過程で常に寄り添って人生全体についてのアドバイスを提供し続けていくというのが本来のアドバイザーの姿です。
一般的に言って金融機関の営業マンの顧客との付き合いの期間は比較的短期ですし、また、営業マンが生活者本人の望む人生について完全に理解しているかどうかというのも疑問があります。一般論として営業マンが行うアドバイスは短期的視点に基づいたものも多いのは否めないのではないでしょうか。
その結果として人生を通じての資産運用とかけ離れた資産配分になっていたり、非課税口座が十分に活用されていなかったりすることもしばしばあるようです。投資家が許容できるリスク以上の資産をたくさん保有してしまったり、短期のトレード銘柄を勧められ、それを買ってしまったりすることもあるでしょう。少し上がると売却をする、反対に下がっても損切りを勧める。そのたびに売買を執行する側は収益を得ます。それは皆さんの大切な退職後資産の流出です。 何十年も通じて中立的な、どの金融機関からも独立した、そして本当にお客様ファーストのアドバイスを提供し続ける人生の伴走者が必要なのです。
3番目の点はアドバイザー・サイドの問題です。本物のアドバイザーが守らなければいけない守備範囲はお客様の人生全体を通じての非常に幅広い分野に関わっています。どのような人生を送りたいのかというところから始まるライフプラン、そしてその一部であるマネープラン、さらにまたその一部である資産運用のプラン、お金をどのように幸福感に変換していくかという最も重要なプロセスにも関わっていくべきものです。
複雑化した世の中で最終的に幸せな人生を送るためには、金融商品を販売するという比較的限定された目的とは別のもっと幅広い人生論や人生哲学などをしっかり持ったアドバイザーが必要になってきます。
また、投資に関するアドバイスの内容についても多くの改善が必要です。今までのアドバイスは、むしろその時々の相場環境やテーマなどに合わせたジャッジメンタルなものが多かったように思います。長期的な資産運用にとって、その時々の魅力ある銘柄やテーマなどを追いかけるのはよくなく、もっと冷静に長期的視点で見た資産運用が必要なのです。
私は良い長期的投資方針は理論的整合性と実証的有効性を併せ持ったものだと思っています。それは勘と度胸の投資とは全く違うものです。残念ながら、これまで日本ではそのようなポートフォリオ分析を行うツールも極めて初歩的なものに限定され、それも十分に使われていたとは言えません。
ここに現在、皆様から貴重なご寄付をいただき、高度化をしているポートフォリオ分析ツールの開発をする理由があるのです。「みんなのお金のアドバイザー協会~FIWA(R)」 では、日本の生活者=投資家のためになる資産運用が安心安全を可能にするインフラストラクチャーが必要であるという認識のもと、そのツール面での装備を充実し、本物のアドバイザーを育成し、認定、支援していく活動を続けていきます。どうぞこれからもご支援の程を宜しくお願い致します。
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FIWA(R)からのお知らせ・セミナー予定
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FIWA(R)マンスリー・セミナー #204
開催形式:On Line
開催日時:9月18日(日)12:30~15:30
講演・講師:岡本 和久「日本株式市場144年史」
三和 裕美子氏、太田 達也氏:「兜日本株価指数 発表報告」
備考:お申込みは以下のサイトにて承ります
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第57回FIWAサムライズ勉強会
開催形式:On Line
開催日時 10月7日(金) 開催時間 19:00~20:45
講演・講師:NISA・イデコ投資はインフレに勝てるか 長期データで検証
日本経済新聞社編集委員 田村 正之氏
備考 主催:NPO法人みんなのお金のアドバイザー協会
お申込先:https://somerise.net/2022/09/06/1488/
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FIWA(R)マンスリー・セミナー #205
開催形式:On Line
開催日時:10月16日(日)12:30~15:30
講演・講師:岡本 和久「株式会社の歴史」
河口 真理子氏:「日本におけるSRI、ESG投資の歴史(仮題)」
備考:お申込みは開催日の三週間前より以下のサイトにて承ります
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FIWA(R)マンスリー・セミナー #206
開催形式:On Line
開催日時:11月20日(日)12:30~15:30
講演・講師: 岡本 和久 「お金の歴史」
青山大学院大学客員教授、ニッセイアセットマネジメント投資工学開発センター長
吉野 貴晶氏 「『ダウの犬』戦略などを検証する(仮題)」
備考 お申込みは開催日の三週間前より以下のサイトにて承ります
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● インベストライフ 2022.9.15号が公開されました。以下のサイトでお読みいただけます。スマホにも対応しています。お楽しみください。
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FIWA通信 インベストライフ ®|「みんなのお金のアドバイザー協会〜FIWA」
長期投資と資産運用の入門から実践まで
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「ボクらの日本一周どんぶらこ きびだんご配って四千里」
石井 総一郎氏
Social Relation Trust Partners 代表取締役 共同代表
コーチングオフィス 『Two-Me-Key “つみき”』代表
私は、個人や法人の方のお金の相談を受けて、それを仕事にしています。私自身、今までこうした仕事をずっとやっていたのか?というと全然違います。現場作業員をしていました。今とは全く違う仕事です。ただ、さまざまな出会いや、自分が知った行動が、どんどんいろいろな結果を出していき、いろいろな形になって、このような仕事にたどり着いたのです。
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「庭の草を食べて生き延びた極貧からの脱出ストーリー」
講演 土井 広文氏
みんなお金持ち お金学校主催
私の経験を通して学んだことで、これからの人生において、大事だなと思うことについてお話していきます。お金そのものに関する本を読む中で、お金とは自分が消耗した価値が記録された紙であるということを学びました。経営者さんであれば、お客様に提供した価値の量。お勤めであれば、お勤めの会社に提供した価値の量が記録された紙だということです。
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知って得する、ちょっと差がつく トリビア・コーナー
トリビア研究家 末崎 孝幸
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寄稿:FIWA協認定正会員 内田 英子CFP、FP1級、消費生活アドバイザー、FIWA*
*:金融商品の販売を行わないアドバイザーに与えられる称号です
投資信託などの金融商品を毎月定額でこつこつと買付けしていく「つみたて投資」。つみたてNISAが始まった2018年から、つみたて投資に関心を持つ方が増え、利用者は増加しています。最近ではつみたてNISAをはじめiDeCoや累積投資、投資信託積立サービスやロボアドバイザーなど、つみたて投資がスムーズに実現できるさまざまな枠組みが複数存在しています。中でもつみたてNISAやiDeCoは、ルールに従って活用すれば配当金や譲渡益など、本来であれば課される儲け分に対する税金が非課税になるという「おトクさ」があり、特に注目を集めています。一方、つみたて投資は資産形成の手段の一つですから、続けることが大切です。
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FIWA(R)動画紹介 岡本 和久 CFA, FIWA(R)
三和・岡本日本株価指数紹介ビデオ
144年の株価チャートから学べる四つのこと
2022年8月1日に明治11年から今日まで一貫して見ることのできる日本の株価指数が完成しました。6年の歳月をかけ明治大学商学部教授の三和裕美子さんと学生さんたちの汗の結晶です。この指数をみて何を学ぶか、私が気づいたことを述べさせていただきました(約20分)
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FIWA(R)代表理事リレー 投稿FIWA(R)協会理事 石津 史子
寄稿:「年金手帳」廃止とマイナンバーカード
ちょうど社会保険労務士事務所の開業と公的年金制度に基礎年金が導入された時期が重なったため、「自分年金作り」を強く意識しながら今日まで歩いてきたように思います。この間、5年ごとに年金財政再計算や再評価に伴う数々の年金制度の改正が行われてきました。時には落胆し、新たに誕生する経過措置にはうんざりしながら、「年金は国民生活の拠り所なんやから、あまり複雑にしないでよ!」と心の中で叫んでいました
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インベストライフ・アーカイブより
生き延びる力~戦中・戦後の体験談を聞く(後編)取材 岡本 和久
1945年8月15日、日本はポツダム宣言を受諾し終戦を迎えました。その前後に多くの方々が筆舌に尽くしがたい体験をされています。少しでもその事実をみなさんに知っていただきたいと思い二回に分けてインベストライフ2012年8月号から連載したのがこの記事です。今回はその後編です。いま、国際情勢も不安定ななか決して忘れてはいけない記憶だと思います。
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基本ポートフォリオのパフォーマンス
出所:イボットソン・アソシエイツ・ジャパンがMorningstar Directにより作成。
8月のパフォーマンスは4資産成長型が-0.15%、2資産成長型が-0.42%のパフォーマンスでした。
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投信データ・ウォッチ
出所:MorningstarDirect のデータを用いてイボットソン・アソシエイツ・ジャパンが作成。
今回は国内で購入可能な主な直販ファンドの8月末の運用状況をリストアップしていただきました。さわかみファンド(さわかみ投信)、セゾン・バンガード・グローバル・バランスファンド(セゾン投信)、セゾン資産形成の達人ファンド(セゾン投信)レオス・キャピタルワークス(ひふみ投信)、結い2101(鎌倉投信)などのデータを紹介していただきました。
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● 次回のFIWA(R)通信「インベストライフ」の配信は2022年10月17日です
● メールアドレスの配信停止はこちらからできます。
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● 「みんなのお金のアドバイザー協会」および「FIWA」は当協会の登録商標です。
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発行・編集:NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会~FIWA」(R)
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